仕事がモジュール化されて、フリーランスが増えるのは時代の必然

政治経済

ランサーズの調査によれば、2018年の日本におけるフリーランス(副業を含む)の人口は1,119万人。

労働人口の17%にのぼります。
これって結構な割合ですよね?

ちなみに私マタスーもこのブログからお小遣いを得ていますが、確定申告をするレベルではなく、株や投資信託は分離課税なので、この調査で「フリーランス」にはカウントされていないと思われます。

さて、フリーランスの人口は2015年から2018年にかけて20%強も増えていますが、今後も増え続けるでしょう。

皆が会社を嫌いになったからではなくて、経済的合理性を含めて時代の必然だと言えるからです。

「三種の神器」が綺麗にハマった時代

日本式経営の三種の神器と言われたものがあります。

終身雇用、年功序列、企業別労働組合。

若くして入った会社で一生勤め上げれば、年齢に従ってそれなりに給料も上がり、老後も安泰というのがごく一般的なモデルだったわけです。

これらは日本人の特性ともマッチして、高度経済成長期にはそれはもう上手く機能していました。

どのような経済であれ、好況・不況の波は必ず押し寄せます。好況の時は人手が足りなくなり、不況の時は人が余ってしまうものですが、「全体的に右肩上がり」の行動経済成長期であれば、不況期をなんとか我慢すれば、次はもっと大きな好況がやってきます。

そのため、人材を社内でキープしておく事(終身雇用)は、とても効率的でした。

人材を採用する事にもコストがかかりますし、いざ人手不足となった時に、質・量とも必要な人材が確保できるとは限りません。

また、ずっとその会社で働いてくれるので、教育投資の効果も大きくなります。

大学でクソの役にも立たない仕事とは関係ない学問しか学んでこない学生であっても、会社が教育コストを負担して、立派な企業戦士にする事が可能でした。

それに、一生その会社で働くとなれば、会社への忠誠心(loyalty)が高まり、その会社のやり方にも精通してくれます。

雇われる側からしてみても、普通にやっていればクビになる事はなく、若い頃には下積みで安月給だとしても、経験年数と共に給料が上がっていく事で、人生設計もやりやすかったと言えます。

「一生懸命」という言葉は、もともとは「一所懸命」でした。
武士の時代、彼らは土地を守るために命を懸けたわけです。

まさに、その会社という存在にキャリアの全てを懸ける「一所懸命」が、行動経済成長期には最も優れたシステムだったのです。

「三種の神器」が通用しなくなる時代

戦後、高度経済成長を支え、日本を「成金国家」たらしめた三種の神器でしたが、経済の安定・停滞期に入ると、そのデメリットの方が目立つようになります

まず、不況期も雇用を維持し続けるのが辛くなってきました。

右肩上がりの成長が見込めた時代であればいざ知らず、現状維持でも手一杯。業種・業態によっては衰退する一方、という会社も出てきます。

いつまで続くかわからない不況期に、過大な人件費を抱えているのはかなりのリスクです。

てなわけでリストラとか起こっちゃって、終身雇用が崩壊します。

社員の平均年齢も上がってきて、そもそもポストが足りません。年功序列も無理ゲーになりました。

また、一時期は派遣・請負といった雇用形態を調整弁にする事により、なんとか正社員の雇用を維持する道も模索されましたが、「正社員になるのが難しくなってしまった」という弊害も産んでしまい、なかなか皆が満足するのは難しそうです。

さらには、技術の進展の速度はすさまじく、スキルの陳腐化もどんどん早くなってきました

どのようなスキルであれ、寿命というものがあります。
タイプライター打ちとか電話交換手のように、なくなってしまった仕事もあります。

学生時代や若い頃に学んだスキルによって、一生食えるというお仕事は、それこそお医者さんくらいしかなくなってしまったのです。

そのような環境下では、いかに「独自技術」にこだわる企業であっても、必要なスキルを社内にプールしておくことはどんどん難しくなっています

フリーランスが増えるのは理に適っている

そのような時代において、必要な時に必要なだけ調達できる労働力(アウトソース)は、企業にとってみれば大変ありがたいシステムです。時給換算で見れば多少割高だとしても、それだけの対価を支払うメリットは十分にあります。

労働者側から見ても、時間単位で見て割高の報酬を得る事ができます。
もちろん、売りになるスキルは必要ですが。

一般的に、なんらかの売りになるスキルを獲得するためには、10000時間が必要とされています。

それだけの学習コストをかけて習得したスキルは、なるべく多くの「必要とする人」に提供できた方が、社会全体としても効率的です。

少子高齢化による労働力の減少は、ほとんどの先進国に共通の課題ではありますが、特に「戦後成金」の日本において深刻です。

減り続ける労働力でいかに社会の生産性を高めていくか、という考え方に立てば、労働のモジュール化、つまり「必要なスキルを必要な人に、必要なだけ提供する」というフリーランス的な働き方が、ますます重要になってくるのは確定的に明らかです。

オープンイノベーション、オープンソースといった考え方が市民権を得るようになってきています。
これからの時代、プロフェッショナリズムは「抱え込むのではなく、必要なところに使う」という認識が更に広がっていくでしょう。

 

もちろん、まだまだ会社員の方が安定してますから、みんながみんなフリーランスという働き方になるというのも考えにくいです。

でも、フリーランスがもりもり増えていくのは、時代の必然だと思いますよ。

Easy oar.

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