シルビオ・ゲゼルと自由貨幣

シルビオ・ゲゼルをご存知でしょうか

左の写真を見てください。
知性と髭があふれるお顔立ち。
実業家・経済学者・思想家のシルビオ・ゲゼルさんです。

シルビオ・ゲゼル(1862~1930)
著作:『自然的経済秩序』
Wikipedia

ゲゼルの課題認識はこんな感じです。

ゲゼルさん
大金持ちが金利だけでぷらぷら生活している状況はおかしい!
真面目に働く人たちよりも、大金持ちが資産を増やしていくではないか!
…そうです。ピケティが実証した「r>g」です。
「r>g」の説明はこちら

カール・マルクス(1818~1883)が同じく「r>g」を問題視して、

マルさん
これって搾取じゃね? やっぱ共産主義っしょ!
って言いだした「共産党宣言」から、少し後のお話です。

ゲゼルは、共産主義の代わりに、こう考えました。

ゲゼルさん
「金利」の存在が、そもそもおかしい!これが諸悪の根源である!

なんのこっちゃ?と思われるでしょうか。私も最初はそう思いました。

ところが「資本主義の救世主」ケインズ(1883~1946)は、
「将来の人々はマルクスの精神よりもゲゼルの精神からより多くのものを学ぶであろうと、私は信ずる」と評しているそうです。

「金利」はお金にだけ許された特権

お金の機能は、大きく3つあります。
1.何らかの価値と交換する
お金は、モノやサービスと交換できます
2.価値の尺度(ものさし)となる
「値段」でおおよその価値がわかります
3.価値を貯蔵・保管する
貯金をしておけば、いつでも必要な時に使えます。

この中で、ゲゼルが注目したのは3つ目の「価値を貯蔵・保管する」機能です。

ゲゼルさん
お金で保管する価値は、劣化しないどころか利子までつく。この不公平が経済のアンバランスを産んでいるのでは…?
例えば、食べ物は時間がたつといずれ腐ってしまいます。
魚を獲った漁師さんは、魚が腐る前に売らなくてはいけません。
腐った魚など、誰も買おうとは思わないからです。

食べ物に限らず、ほとんどのモノは、そのモノ特有のスピードで劣化していきます
電化製品は黄ばんだり壊れたり、家具も傷んで行きます。
新聞にいたっては、一日で古新聞になってしまいます。
(土地や金などはほとんど劣化しませんが、これは数少ない例外です)

あるいは、保管やメンテナンスのための費用の発生も、広い意味で価値の劣化と言ってよいでしょう。
魚が腐らないように冷凍したり、電化製品を置いておく倉庫が必要です。
これらは、純粋にコストなんですね。

一方で、お金を保管している場合はどうでしょう。
お金は劣化しません。銀行に預けておけば利子までつきます
保管のコストも、実質ゼロです。

労働の結果作られた食べ物や家具等の価値は徐々に劣化し、お金持ちの持つお金には利子がつく。正に「r>g」じゃないですかヤダーww

食べ物や家具などをお金で取引する時、一方は取引を急ぐ必要があり、一方は別に急いでいない。これで公平な取引ができるのでしょうか?
…ってのがゲゼルの考えた事です。大分はしょってますけど、大体あってると思います多分。

自由貨幣とは

じゃあどうすれば良いの?って策として、ゲゼルが提案したのが「自由貨幣」です。
自由貨幣は、時間とともに価値が目減りしていく貨幣です。
具体的な手段としては、定期的に有償のスタンプを張らないと使用できなくなります。エグいですねw

自由貨幣は時間とともに価値が下がっていくので、
「俺は金利だけで遊んでくらすぞJOJO~!」みたいなブルジョアジーは存在できなくなります。
めでたしめでたし!

さらに、自由貨幣には「貯蓄しておくよりも使っちまおう!」というインセンティブが働きます。だって、時間と共に価値が下がっていくんですから、早く使わないと損でしょう?
その結果「お金がたくさん循環している」状態、つまり好景気となる、景気対策効果も期待できます。

さらにさらには、自由貨幣でベーシック・インカムを実現しようとしている論者もいます。
夢が膨らみますね。

まあ、私は金利で美味しい思いしたいですけど。

参考文献

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