書評:銃・病原菌・鉄(ジャレド・ダイアモンド)

なぜ、白人が世界のほとんどを支配しているのか?

ユーラシア大陸出身の白人は、世界で一番早く近代文明を発展させ、南北アメリカ大陸やオーストラリア大陸にその版図を大いに広げました。

なぜ、そのような事ができたのでしょうか?

現在のアメリカで話題になっている白人至上主義の団体であれば、「それは白人が人種的に優れていたからだ」と答えるかも知れません。

本書は、人種間の優劣という考え方を、幻想であると一蹴します。
「白人がなぜ世界のほとんどを支配しているのか」この質問に対する本書の答えは、
「白人がたまたまユーラシア大陸にいたから」です。

歴史上実際に、アメリカにあったインカ帝国やアステカは、どちらも数万の兵力を持ちながら、数百人のヨーロッパ人に滅ぼされています。

しかし、仮定の話として、もしインディアンがユーラシア大陸で暮らし、白人がアメリカ大陸に暮らしていたなら、今頃はインディアンが世界で最も繁栄していたと考えるのが、本書の結論です。

ユーラシア大陸の圧倒的な「地の利」

ユーラシア大陸は、社会の発展と繁栄を加速させる条件が揃っていました。

例えば、
・食糧生産に有利な植物がユーラシア大陸に多く存在していた
・家畜化可能な動物がユーラシア大陸に多く存在していた
・ユーラシア大陸は、世界で一番東西に長い大陸だった

そしてこれらの有利な特徴が、どのように社会発展に寄与していったのか、一つ一つ深い考察を加えてくれます。

私はとても説得力を感じました。

作者のジャレド・ダイアモンドさん(スゴイ苗字ですね)は、生理学者であり、地理学者であり、ニューギニアで植物採集のフィールドワークも行う進化生物学者でもあるそうです。

これは面白い歴史の書でした

ダイアモンド氏は、1970年代にニューギニアでフィールドワークを行った時、現地の政治家にこう聞かれたそうです。

「あなたがた白人は、たくさんのものを発展させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には、自分たちのものと呼べるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」

ダイアモンド氏は、現地の人たちとのふれあいの中で、その平均的な賢さは決して平均的な欧米人に劣るものではなく、単に持っている知識の違いによるものと感じていたそうです。

ニューギニアの政治家の問いを真摯に考え続け、本書をまとめたダイアモンド氏の姿勢と博学に簡単できる一冊。おススメです!

…余談ですが、私は「なぜシマウマ騎兵っていないんだろう?」って疑問を高校生くらいの時から思っていたんですが、その理由が明確になりました。それだけでも収穫がありました(笑)
その答えは本書の第9章「なぜシマウマは家畜にならなかったのか?」をご覧ください(^^

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