値動きの激しさを表す指標をボラティリティと言いますが、仮想通貨のボラティリティ高過ぎ問題。
代表格のビットコインは2017年7月には30万円程度だったのが年末には200万円をつけ、
今年2月に70万円まで落ち込んで多くのホルダーに狼狽売りを誘い
今は100万円を回復し、「このまま年末までに〇〇〇万円まで伸びる!」みたいな予想も再び勢いを取り戻して来ました。
どうしてこんなに暴騰・暴落するのか?
飼い猫のトラジローが初歩的な経済学で説明できると言うので聞いてみました、はい。
一般的な品物の値段は需要と供給で決まる
中学校で習うかと思いますが、一般的な品物の値段は、需要と供給で決まります。
その品物を欲しがる人や欲しがる量(需要)は、価格が高い時に少なく、価格が安い時には多くなります。
その品物が供給される量は、価格が高い時は多くなります。儲かるから多くの人が作る、だから供給量が増えるって考えると当然ですね。
この時、価格と数量は需要と供給が交わる、均衡点で決まります。
均衡点の時の価格を「均衡価格」と言います。
価格が均衡価格よりも高かったり低かったりする場合、均衡価格に近づくメカニズムが働きます。
価格が高い場合においては、供給量>需要量となるので、市場に品物があふれ、価格は下がります。
一方、価格が安い場合においては、需要量>供給量となるので、品不足となり、価格が上がるわけです。
このような、価格が均衡価格に収束するメカニズムを「ワルラス調整」と呼び、ワルラス調整が働く状態を「ワルラス安定」と呼びます。
仮想通貨はワルラス調整が働かない
世の中には、上記のワルラス調整が働かない(働きにくい)品物もあります。
例えば、仮想通貨の代表格であるビットコインもその一つ。
ビットコインの受給曲線を、ざっくりと描いてみましょう。
ビットコインの発行枚数は、価格の高い安いに関係なく、一定です。
ですので、供給曲線は縦軸に水平な直線で近似できます。
一方、需要に関してはどうでしょうか?
ビットコインは、まだまだ投機目的の人が多いので、値段が上がっているときは多くの人が欲しがり、値段が下がっているときは見向きもされません。
昨年末に高騰している時には我先にとみんな買っていましたが、
今年になって値を下げた時には多くの人から
「仮想通貨はゴミ」
「仮想通貨バブルは終わった」
「そもそも最初から胡散臭かった」
等々の扱いを受けました。
その後、価格が再び100万円を超えたところで、「やっぱりお宝かしら?」なんて雰囲気も出てきております。バカだね人間って。
さてそんな歪な需給曲線の中で、ワルラス調整はどうなるでしょうか?
上でトラジローが説明しているように、
価格が均衡価格よりも高い場合、供給量が需要量に追いつかず、品薄になり、価格が上がります。
逆に、
価格が均衡価格よりも低い場合、需要が供給よりも少ないので品あまりになり、価格は下がります。
つまり、普通の品物とは逆に、価格が均衡価格から離れる方向に動くというメカニズムが働きます。
この現象を価格の発散と呼び、このような状態を「ワルラス不安定」と呼びます。
ビットコインは典型的なワルラス不安定の品物、と言えるかと思います。
需要と供給の均衡点に価格が落ち着かないわけで、暴騰や暴落を繰り返すのもむべなるかな、って感じですね。
という事で、ワルラス調整の理屈を使って、仮想通貨のボラティリティを説明してみました。
いじょっ!
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