仮想通貨の取引所”Coin Check”にはチャット機能があり、デイトレードを嗜む紳士淑女が一喜一憂しております。
2017年6月末週の仮想通貨相場は、大きな値動きを伴う下降傾向(まだ暴落と言うレベルではないと思います)だったので、どちらかと言うとネガティブな意見や損した発言が多いように見受けます。
人間、下げ相場の時には必要以上に悲観的になるもので「もう仮想通貨は終わりだ」という意見すら出ている模様です。
プロスペクト理論と損失回避バイアス
ダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーが提唱したプロスペクト理論は、「人間は同額の利益から得る満足や喜びよりも、損失から受ける苦痛の方がはるかに大きい」事を実証しました。
人間は損失による苦痛を必要以上に恐れるため、確率論的には不利な選択をしてしまう事があります。これが損失回避バイアスです。
例えば、次のAとB、どちらを選ぶでしょうか。
A:確実に1万円貰える
B:コインを投げ、表が出れば3万円貰えるが、裏がでたら5千円払わなければならない
・・・・・・
期待値はBの方が高い(12500円)のですが、多くの人がAを選択します。「5千円損をする可能性」を過大に評価するからです。
また、こういう実験がありました。
A:3万円が確実に儲かる
B:25%の確率で15万円儲かる。まったく儲からない可能性は75%。
AとB、どちらがイイですか?
続いてもう一問
A:10万円を確実に損する
B:75%の確率で15万円を損する。損失ゼロの可能性は25%。
AとB、どちらがイイですか?
・・・・・・
上記のテストの結果、ケース2では8割以上の人がAを選び、ケース3では8割以上の人がBを選んだそうです。これは、確率論的には不可思議な結果です。
ケース2では、Bの期待値は37500円の利益なのにA(30000円の利益)が選ばれ、
ケース3では、Bの期待値は115000円の損害ですが、A(100000円の損害)よりも選ばれるのです。
これらの比較の結果、損失を回避したいという理由のある時、人はより大きなリスクを負う事を厭わないと言えます。
と言う事で、
人は損失を過大に評価する、損失回避バイアスによって冷静な判断を失う。
仮想通貨のトレーダー諸君は、投機をしているのなら損する事もあるんだから落ち着けよって話でした(笑)
(仮想通貨がごみクズにならない、とは言っていない)
なお、「損失回避バイアス」は「不作為バイアス」と共に、変化を嫌い現状維持を優先する人間の性向(現状維持バイアス)を形成すると考えられています。
転職とか、独立とかは勇気がいるよね…←
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