自分だけは大丈夫 ~正常性バイアス

心理学・行動経済学

正常性バイアスとは

「寄生獣」というマンガで、公園にライオンが現れるシーンがありました。

ライオンは本物だったのですが、公園に居た人々は
「え、これ本物?」
「テレビの撮影でしょ」
みたいな感じで、噛み殺されちゃったんですね。

私たちの心には、「予期せぬ出来事や新しい事象」に対して、正常の延長線上の出来事として処理するメカニズムがあります。

これが「正常性バイアス(正常化バイアス)」です。

上記のライオンはマンガの中の話ですが、現実世界においても、災害で逃げ遅れる原因の一つとしてその存在が指摘されています。

「火災報知器がなっているけど、どうせ誤作動だろう」

そんな風に思ったこと、ありませんか?

 

上記の本に詳しいですが、死者55人を出した2014年の御嶽山噴火の時、死亡者の多くが噴火後も火口付近にとどまり、噴火の様子を写真撮影していたそうです。

また、2011年の東日本大震災の時には、「警報が出ているのを知りながら避難しない」人が多数いたと報告されています。

「大事にはならない」「自分は逃げられる」
このような正常性バイアスの影響をゼロにする事は難しいですが、存在を知っていれば、対応も変わるかも知れません。

私も、最近やらかしました

幸いにして死ぬほどのダメージではないのですが、仮想通貨。

「取引所に預けておくのはスゴク危険だよ、ハードウェアウォレットに移した方がイイよ」

というのは、識者の方々が口々に言っておりました。

が…!

「いやいや2段階認証使ってるし、大手だし、大丈夫っしょ!ww」

と高を括っていたマタスーさんがコインチェックに資産を凍結されているのは、これはもう「正常性バイアス」の典型例としてWikipediaに載せて良いレベルかと存じます。

とっても怖い正常性バイアス

正常性バイアスは、精神の安定のために必要な自己防衛のメカニズムとされていますが、一方で命を失う原因にもなりかねません。

人間は、今のままの日常(正常)がそのまま続くという先入観(=正常性バイアス)を持っており、更には自分にとって都合の悪い情報(=見たくないもの)を、過小評価したり無視したりするようにできているのです。

「俺、健康だから健康診断とか別に要らない!」

「売り上げが落ちてる?まだまだ弊社は大丈夫さ!」

「タバコなんぞでガンになる奴はもともと体が弱いんだろ…」

「日本で凄惨なテロが起きるわけないじゃないか」

気をつけましょう、人は皆、「自分だけは大丈夫」と思っているようです。

トラジロー
それで、まさか「自分だけは正常性バイアスをコントロールできる」とか思っているわけじゃないニャ?

マタスー
(ギクッ)も、もちろんさー!それこそ正常性バイアスですよね~

 

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