「これは極めて秘匿性の高い情報ですが…」とわざわざ宣伝している商売に引っかかる人がいる理由

心理学・行動経済学

Youtubeを見ていたら、「これからお話しすることは、ちょっと公にはできない、秘匿性の高い秘密なので、一度しかお話できないことをあらかじめご理解ください」と宣伝が始まりました。1時間以上ある宣伝で、最後まで見ていないのですが、投資のノウハウだかなんだかを売るビジネスのようです。

こういうの、買う人は少なからずいるんですね…

( ^ω^)・・・

あのね、こんなんで儲かるわけないでしょ!!

「秘匿性の高い情報」を、わざわざ高い広告料を払って宣伝するハズがありません。
↑これ、ちょっと考えれば分かりますよね?

しかも「一度だけ」とか言いつつ結構な頻度で再生されるんですよこの広告ww

なぜ宣伝するか?
⇒儲かるからです。

なぜ儲かるか?
⇒こんな宣伝を信じてお金を払う、騙されやすいカモからカッパグからです。

「絶対に儲かる」「あっという間に儲かる」
そんな手段があるなら、誰にも教えません。
自分がやった方が良いからです。他人に教えたら、最悪自分がその手段を使えなくなる可能性すらあります。

「値段が高いのは、その覚悟を持った人にだけ伝えるからです」
「自分に投資できる人にだけ教えます」
そんな感じの言い訳をつけて、結構な良い値段で売っているんじゃないですか?
5万円のPDFファイルですか?20万~30万のセミナーですか?

ちょっと考えれば、わかりますよね?

考えれば分かるはずなのに、儲かるハズのない儲け話に手を出す。
この原因として大きいのが希望的観測による「確証バイアス」です。

人は、信じたいものだけを信じる

確証バイアスとは、先入観に基づいて、都合の良い情報だけを集めてしまい、都合の悪い情報を無視あるいは軽視してしまうという思考のクセです。この確証バイアスの結果、先入観はますます強化され、人は適切な判断や選択ができなくなってしまいます。

この先入観は、時としてその人の希望だったりします。例えば、
「楽をして儲けたい。楽をして儲ける手段があるはずだ」
「自分は賢い。世の中の人を出し抜けるはずだ」
「会社を辞めたい。自分は辞めても簡単に生活できるはずだ」
「怖い手術はしたくない。現代医学よりも優れた方法があるはずだ」

一度このような希望(先入観)にとらわれると、人はどうしてもそれを証明するような情報だけが目に入るようになり、これを否定するような情報を軽視してしまいます。

私も、どこかの株を買った時はそれが上がって欲しいわけですから、その会社に有利な情報ばかりを集めて安心してしまうなんてことがあります(^^

これは恐るべき「認知の罠」です。
上手い話に騙されないため、投資で堅実な判断をするためには、このような確証バイアスの存在を知って、自分をコントロールする必要があるのではないでしょうか。

名言で〆るとカッコいい気がするバイアス

古代ローマの時代から、人間は確証バイアスに支配されて来ました。英雄ガイウス・ユリウス・カエサル(紀元前100~紀元前44)もこう言っています。
「人間ならば誰にでも、現実の全てが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」

人は見たいものしか見えない、信じたいものしか信じない。紀元前から変わらないんですね…

インターネットで情報があふれている時代、私たちはもっと「認知の罠」を知るべきです。

「楽して儲かる」系のお話に対して、
ほんのちょっとでも「本当かも?」って思った方は下記エントリーもどうぞ↓

カモられないで生きましょう!

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